「知らない方が幸せな事実」ってありますよね…

今回、読んでいてあまりにビックリしたので紹介させていただく本は、以前、私のブログの反原発の不都合な真実で書かせていただいた、Fujisawa Kazukiさんの新著なんですが…


外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々
(2012/09/14)
藤沢 数希

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コイツです。最近出た本なので、多分近くの書店にも置いてあると思います。

皆さん、なんとなく「サブプライムローン」とか「リーマンブラザーズ破綻」とか、数年前に耳にした事がありませんか?いわゆる金融危機というやつなのですが、それの一体何が問題で、なぜそんな事が起こってしまったのか、そしてそれが今どんな状態なのか…というのが素人でもよくわかる本です

今話題のユーロ危機、ギリシャの問題も取り上げられていて、全てつながっています。とはいっても、この本のスゴいところはそこではありません。

何より驚くのは、本の内容がまるでウィキリークスの内部告発文を読んでいるかのような、かつて著者の藤沢さんが所属していた金融業界の真実が明記されている事です。

そして同時に、かなり絶望を味わってしまいました…なぜあの時、アメリカ人が「ウォール街を占拠せよ!」といきまいていたのか、今では手に取るようにわかります。

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細かい内容は原著を参考にしてくださると良いのですが、簡単に言うと以下のような事が起こっています。

大手の金融機関(以下、企業X)がどんどん大きく成長する→小さな企業(以下、企業Y)はつぶれる→企業Yが企業Xに吸収され、より大きな企業Xとなる→この世になくてはならない会社(つぶれると国民に大きな損失を与えてしまうほど、大きくなった企業)になる→つぶれそうになると、税金を投じてまで救済される→以下エンドレス…

という内容でした。しかもこの企業Xは、社員の平均年収7000万というべらぼうな給与を支払っておきながら、税金が投入されたという…なんとも信じがたい、というかこんな事まかり通るのか?と思ってしまう内容ですが、何せその業界に身を置いていた人が言うのですから、まず間違いないでしょう。。。

正直な所、知らなくても良い事実はあると思うのですが、僕としてはそういう事実も糧に前に進みたいタイプの人間ですので、きっちり消化させてもらって、これからの人生に生かしていこうと思っています。



END

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Date: 2012.10.08 Category: 書評  Comments (0) Trackbacks (0)

個人の時代に適応するために

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前のWish Scopeの記事で書かせていただいた、個人の時代が〜という話の続き。

要は「所属、資格、会社、組織に頼ってばかりだと、いつはしごを外されるかわからない(これらはそもそもそういうものだと思うんですけどね…)から、自分が組織、資格、様々な社会的位置づけを失ってなお、仕事にありつけ(もしくは作り出し)飯を食い家族を養っていけるかが重要だ。」という話でした。

【例① シャープ】

例えに出しては悪いのですが、株式会社シャープ、昨日「1万人がリストラ」とかいう記事を見つけました。多分、昔は「シャープに入れば安泰!」と言われていたのでしょう…それを言うとSONYも株価が1株1000円切ってます…昭和のピーク時は30000を超えていたらしいです…1/30です…

【例② JAL】

JALも、2年半前に倒産、上場廃止になってから再上場。とはいえリストラは1万6千人規模で行われたそうです。(ソースはこちら




僕は君たちに武器を配りたい僕は君たちに武器を配りたい
(2011/09/22)
瀧本 哲史

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組織、会社、所属に頼れないとなると、やはり自分自身の価値を高めコモディティ(ありふれた商品)にならない事が重要ではないかという提案です。

例えば医者になるのであれば、「誰にもできないほどこの分野の手術はうまい」「この薬の細かい調節はかなり自信が有る」「この研究は私が最先端を突っ走っている」「インターネットを使った新しい医療を提供している、今の所誰にもまねはされていない」等、いわゆる”とがっている”部分が必要。

確かに弁護士や医師はその免許そのものに法的な希少価値がありますが、とはいえ現在、弁護士は数が余って仕事が減って、あまりに仕事が無いからといって債務を減らしてそこからお金をとるアディ…おっと…と、とにかく医師も最終的には余る時代が到来するかもしれません。

そのために、どの分野で”とがる”か考える必要があります。ある特定の分野で圧倒的な能力を発揮するのか、自分のまあ一番得意であろう分野と他の分野を組み合わせて新しい何かを作るのか、僕の中ではどちらかしかないかなと思います。(後者の方法についてはこちらの記事「受験で培ったであろう医学生の能力について」を参照)

そしてそれを選択するために、多くの情報・知識が必要になる。それらを得るために、やはり最新のインターネット記事や、昔から有る有名な書籍などから学び、友人と議論したり、あたらしい出会いの中から何かを感じ取る、いわゆる”人生経験値”から得る。これらの手法を用いてとにかくインプットする、それが大事なのかなと思いました。



スタンフォード大学では、学部生が4年間で480冊の本を読むそうです。3日で1冊を4年間、しかもどれも授業で扱うハードカバーの難解な本らしい。

若いうちのインプット量で、アメリカに日本は負けている。結果、選択の幅が狭く、リスクヘッジの効かない人生を歩みがちである、というのが持論です。インプットし、議論することでアウトプットする。その作業を日本でスタンダードになったらどんなにいいだろう。。。

そういう事で、仲間探しています。是非気兼ねなく右のメールフォームからご連絡下さい。なんかしまらなかったんですが、これで終わりです。ではでは

Date: 2012.09.23 Category: 書評  Comments (0) Trackbacks (0)

反原発の不都合な真実


藤沢数希という方をご存知の人、どれくらいいらっしゃるでしょうか。

彼は外資系投資銀行で市場予測、リスク管理や経済分析を行ってきたバリバリの経済界のプロです。しかし、文系ではなく元々科学者で、アメリカの研究機関で計算化学、理論物理学の分野で博士を取得している理系の人間です。

彼はブログ「金融日記」で超有名なブロガーなのですが、何がそんなに非凡なのか。それは徹底的に冷静な論理力と、正確な分析力にあると思いました。

   

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例えば「原発の安全性」を語る上で、科学的に何を指標としているかを、「単位電気料あたりの死者数」で計算しています。

確かに、仮に1テラワットあたりの死者数を算出する事ができれば、それは発電の安全性に他なりませんね。

そして彼は著書の中で、これらを割り出し、しかもデータの出所がWHOなどのかなり多くの科学者のコンセンサスが得られているであろう国際研究機関の論文のデータを使用していました。信用できる統計データだと思います。

細かい内容については原著にゆずりますが、計算して出すと、驚くべき事に原発の単位電気料あたりの死者数は、太陽光や風力等に比べて低いという計算結果になっていました。風力発電や太陽光発電は、設置が難しく建設事故が起こり、そんなに死者数そのものは多くないものの、発電エネルギー量が圧倒的に少ないため、単位発電量あたりの死者数は多くなっています。逆に、原発は発電エネルギー量が多く、ウラン採掘やチェルノブイリによる事故での死者を分子に、発電エネルギー量を分母にもってくるとその値太陽光や風力よりは低くなるそうです。



「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)
(2012/02/17)
藤沢 数希

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最初は目を疑いました。しかし、参考文献も明記されておりどうやら信頼できるデータでありそうです。

衛生学でも勉強しましたが、自然被爆量に対し、原子力発電による被爆量は微々たるもので、統計学的に無視できるほど小さいのです。そして教授も脱原発なんてアホだみたいな事をおっしゃっていました。どうやらトップの科学者は原発の安全性についてはさして問題ないと思っている方が多いみたいです。


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話はとびますが、やはり統計学こそ今の時代をかけぬける最高の学問なのではないでしょうか。

科学的にみて「データにバイアスがかかっていないか?」「数字をみて直感で判断せず、きちんと有意かどうか調べたか?」「年齢調整されているか?」常に問う。情報が錯綜する時代で、真実を見極める道具となりうるのが統計学なのではないかと思います。

統計学を学んでからというもの、テレビをみていて、最近色んなデータを出してくる人がいますが、「それ、有意かどうか調べた?」とツッコミたくなる場面も多数。データを鵜呑みにする事ができなくなるので、世界が変わります。

やはり医師は同時に科学者です。世間的に知識人とされる一方、それに伴って科学的に真実を導きだす責任があると僕は思います。

きっちり学んでいかねば…。

Date: 2012.09.17 Category: 書評  Comments (2) Trackbacks (0)

退屈なのは世界か、自分か

読書はいいものです

場所・時間を選ばずに

著者の言いたいエッセンスを吸収できちゃいます

そんなとこで僕が最近読んだ本でオススメのものを



「私、社長ではなくなりました。」

この人の人生を自叙伝的に描いた本です。僕とはほど遠い種類の人が、どんな事を考えて、どんな事をしてきたか。前からこういう本を読みたかったので読んでみましたが、なるほどこういう人もいるのだなあと感銘を受けます。これはオススメします。


私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
(2012/02/28)
安田 佳生(やすだ よしお)

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「僕が旅に出る理由」

帯に退屈なのは世界か、自分かと書いてあって衝動買い。海外に長く滞在した事がある(留学、バックパッカーなど)日本の大学生100人が集まって書いたという本。単調でつまらない毎日を送っていていいのか?と思う人向け。ワクワクして高揚感にかられ、つい旅に出たくなります。


僕が旅に出る理由僕が旅に出る理由
(2012/02)
日本ドリームプロジェクト

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「君の夢 僕の思考」

哲学チックなエッセイが詰まったフォトエッセイ集。映画「スカイクロラ」の著者で、かなり思考が深いので雨の日等に考え事をするのにオススメです。以下、本文より抜粋。

濁った水

周りの皆は理由をたくさん用意する。この世はうんざりするほど理由でいっぱいだ。ゴミのように理由であふれている。人はみんな理由で濁った水を飲むから、だんだん気持ちまで濁って不透明になる。体の中に、どんどん理由が沈殿する。
だから、
最後には、自分もゴミになりたくなってしまう。

ーこれが「大人になる」「丸くなる」の意味するところである。いかに戦えるだろうか、幸運を祈る。


君の夢 僕の思考 You will dream while I think (講談社文庫)君の夢 僕の思考 You will dream while I think (講談社文庫)
(2009/05/15)
森 博嗣

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Date: 2012.06.25 Category: 書評  Comments (2) Trackbacks (0)
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