医療大国イスラエル

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イスラエルといえば、軍事的な問題が絶えない戦争ばかりやっているイメージですが、実は研究分野が非常に発展しています。

例えば、一部報道機関が過去に「意識の変容を伴わない大麻を開発した」としていました。以下引用。


【6月1日 AFP】イスラエルで意識の変容を引き起こさない大麻(マリフアナ)が開発され、医療目的での大麻使用に役立つのではないかと期待されている。5月30日の現地紙マーリブ(Maariv)が報じた。

 同紙によれば、この大麻は外観、臭い、味は従来種と変わらないが、テトラヒドロカンナビノール(THC)という成分が誘発する感覚は一切感じられないという。

 開発した企業、ティックン・オラム(Tikkun Olam)の開発責任者ツァヒ・クライン(Tzahi Klein)氏は、「臭い、形、味ともに従来種と同じだ。ただ大麻使用者にはおなじみの、夢うつつのような感覚はない」と説明した。同氏によれば、新種の大麻を試した患者の多くは偽薬を渡されたと誤解したほどだったという。

 マーリブ紙によれば、同社はTHCの効果を無効化した一方、糖尿病や精神疾患に効果があるとされているカンナビジオール(CBD)という成分の効果を強めた。これにより意識の変容が引き起こされることがなくなり、大麻使用で感じることが多い空腹感も出なくなったという。

 イスラエルでは医療目的以外の大麻使用は違法であり、今回の開発を受けて法律が改正されることもないとみられている。

 同国のシバ医療センター(Sheba Medical Centre)とイスラエルがん学会(Israel Cancer Association)が今年発表した統計によると、これまでにイスラエルでさまざまな病気のために医療用大麻の使用が許可された例は6000件に上る。(c)AFP


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また、心臓のカラー3Dマップなど、様々な医療機器がイスラエルから開発されています。イスラエルは科学者、エンジニアの数で世界第一位、ナノテクノロジー特許数世界第四位、医療機器特許数世界第一位というすばらしい成績を誇っています。

これらの医療技術と、戦争が起こるイスラエル、何が関係しているのでしょうか。



戦争が科学技術を進歩させる

やはりそこには、まぎれもない事実として「戦争が科学技術を進化させる」という事があると思います。

パソコン技術も元はアメリカの軍事技術ですし、心臓の3Dマップもどうやら戦闘機に搭載する予定で開発していた技術の派生であると循環器内科の講義でききました。

戦争という人類にとって害であるものと、科学技術の進歩という人類にとって利益をもたらすもの、2つは相関があるというジレンマ。決して戦争を推進するわけではありませんが、やはり認めざるを得ない部分はあります。

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最近はシンガポールも発展してきているようで、両者に共通する部分は領地が狭いという事。国を発展させるために各国の優秀な技術者を優遇して呼び寄せ、諸外国からどんどん投資させる。そして発展させる。戦争を背景にした軍事技術の蓄積はシンガポールにはないものの、やはり「小さい国だから、高付加価値なサービスでなんとか国を発展させたい」というエゴイスティックな欲望が根底に共通していると感じました。

戦争、欲望、エゴ…人間の根源的な、渇望にも似た基本的欲求が「進化」という点におけるパワーとしては最強である、という少し暗い話でした。



【ソーズ記事】
・AFPBBNews 
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2881450/9034270
・addvalue
http://addvalueinv.com/JAP/?page_id=9
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Date: 2012.09.24 Category: 医学  Comments (0) Trackbacks (0)

レッドブル vs MONSTER vs リポビタンD


最近やたらと飲むので、気になって調べました。RedBull、MONSTER、そして昔ながらのリポD、どれが最も眠気を覚ましてくれるのか…

という事で、今回は 100mlあたりカフェイン量×容量 で、1缶買った際に含まれるカフェイン量を算出してみます。



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まずはRedBull

うん、書いてありました。カフェイン80mgです。



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次にリポD

100mlあたり50mgの無水カフェインに、内容量100ml

という事で、50mgですね



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最後にMONSTER

100mlあたり40mgで、355ml…142mgです!



<1缶あたり含有カフェイン量>
RedBull 80mg
リポD   50mg
MONSTER 142mg

どうやら単純にカフェイン量でみたらMONSTERが圧倒的ですね。欲しているエネルギーに応じて、使い分けると良いかもしれません。

といっても、他の有効成分による活力もありますから、一概に比較できないんですけどね…
Date: 2012.09.19 Category: 医学  Comments (0) Trackbacks (0)

鬱病を減らす会社「U2plus」

少し前に噂になったので、知っている方もいるかもしれません。株式会社U2plusについてです。

この会社、実は過去記事「医療業界の閉塞感は何なんだろう」に書かせていただいた、Livertyというチームが作り出したインターネットサービスです。

※U2plusそのものは独立した会社組織で、そのサービスの一部「うつっぽ」がlivertyと関係があります。

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この会社、コンセプトは簡単で「うつ病を減らす」事。代表の方がうつ病経験者で、インターネットを使ったサービスでなんとかできないかと思いついたと言っています。

サービス内容はというと、専用掲示板、セラピストからのアドバイス、うつテストなど多岐にわたるよう。インターネットサービスなため、アカウントが必要だが、それは最近の主流であるFacebookアカウントでログインできるようになっています。訂正。ホームページを見て勘違いしていました。申し訳ありません。



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基本料金は無料で、サイトの閲覧やテストは自由に行う事ができます。有料プランは2つで、月額470円と月額970円です。後者の料金プランだと、セラピストからのアドバイスを求める事ができるようです。

このサービスが有効であるかどうかはわからないですが、個人的には低い料金設定や万人に広げたいという意思は素晴らしいと思います。しかし、どうもデリケートな分野である割に、スピード感あふれるLivertyのサービスについていけていない感が否めないのが残念。ホームページで見る限り専門科の数もそんなにいないみたいで、かつ低価格なため高品質なサービスを提供する事ができておらず、うつ病の人が本当に欲しているニーズをつかめているのか微妙なところでもあります。

そんな矢先、提供サービスの1つである「うつっぽ」がサービスを停止しました。このサービスは、匿名で「あなたはうつかも」とメールを送り、なるべく早期改善を目指そうとしたサービス。匿名でありスパムメールのような受け取り方をされる事が多く、また文章にも配慮が足りない部分があり、賛否両論が沸き起こりました。



うつっぽ閉鎖テキスト

同社は「仮説検証を経ずにサービスを公開した」ことが失策の最大の原因だとしています。他にも医療系のインターネットサービスを展開している会社とも話したそうですが、やはり仮説検証の甘さが際立つようでした。

この手のサービスは、ある種特定の層に莫大なニーズがあり、かつ社会的意義もあり、将来的にやってみたいサービスに近いんですが…どうも難しいみたいです…^^;

多分、この会社は誰が悪いとかではなく、単に代表の知識が足りなかったという事ではないでしょうか。医学的な仮説の検証、有効性、統計的エビデンス、もろもろの必要事項を知らなかった。専門性が足りなかった。まあ知らなかったというだけで責任があるといえばそうなんですが、彼のやろうとした意思は認める事ができると思います。

こういう専門性が高いサービスこそ、医師などの専門家が展開するべきだと思うんですけどね…
Date: 2012.09.18 Category: 精神・心理  Comments (2) Trackbacks (0)

最近の「空気読めよw」って言ったらなんか優位な風潮

こんばんは、なぜか今になって鍋を食って汗かいてますyoungdrです。

今日は夕方あたりから、友人とスタバで待ち合わせしてたんですよ。もろもろの手続きがありまして、相手もそのまま別の場所に移動する必要があったので地理的に有利なスタバにしたんです。ダイビングの学科の勉強したり、本を読んだり、新作を味わって久しぶりにくつろぎの時間を堪能してたわけですね。

そしたら、浴衣着た女の人が来たんですよ。祭りの帰りとかですかね、友達らしき人物と一緒でした。いやーしかし流石にそれはないだろうw、と正直思いました。場の雰囲気や空気ってものを見事に壊して一気にカオスな空間が出来上がりました。あげくの果てに、抹茶クリームフラペチーノを床にぶちまけていました…おいおい

浴衣はあんな明るい所ではなく、薄暗くたまに見える夏の柄が控えめで女性的な印象を与えるせっかくの伝統衣装なのに。古き大和撫子を衣装で表した日本の文化なのに。あーなんか同じ若者として、まずそれを理解していない事と、そして浴衣が周りの雰囲気に与える影響を考えてない事にかなりショックでした…



MacBook+浴衣+コーヒー

「いや…似合わなさすぎだろ流石に…真ん中真ん中」

ってなりますよそりゃw



それでいて、最近若い人(少なくとも僕の周り)は、何かあるとすぐに「空気よめっwww空気ww」みたいな事を言う人が多いと思います。

多分、彼らの中では、彼 ら で 言 う と こ ろ の「空気をよむ」ができる人=ステータス、その集団で優位、リーダー みたいな謎の感情が芽生えている気がします。特に、自意識が強くて自己愛が強い、いわゆる「デキる人」に多い傾向がある気がしました。ズバリ学部で言うところの、医学部とか。

おそらく子供の頃、「○○ちゃんはエラいね、スゴいね。おりこうさんだね〜」って言われて育ち、そこそこの能力があったから周囲の環境の手助けもあってエリートになったものの、それはあくまで「周囲」が形作ったレールに過ぎなく、決して自己決定に基づく物ではない。そんな大学生に多い気がします。本当は弱くて何も出来ない自分を、何でもいいからアイデンティティを見つけて心理的に強化したいんでしょう。

あくまで僕の足りない脳みそでの予想ですが。ただ、これじゃなければ、合理的な頭の良い人が、本当は空気が読めていないのに自分たちだけで通じる「空気を読む」をステータスとして扱う理由がこれ以上説明できないです…こうだと思うって方がいらっしゃいましたらコメントかメッセージ下さい。

可能性として「本当はこれが空気を読めてないってわかってるけど、自己愛の強化が気持ちよいからそっちを優先してしまった」っていう場合もあると思いますが。



確かに、言動や雰囲気だけで空気は出来上がって、それに反しないでいようとする事はできる人が多いと思います。というか皆それに反する、はみでるのを過剰に恐れている気がします。しかし、その背景に予備知識が絡まってくる(文化、伝統、宗教などが多い)場合、一気に彼らは空気が読めない存在になってしまうと思うのです。

とはいっても、

……

これって、本当に空気読めてますかね?

そんなに空気を読む事に重きを置くなら、これくらい頼むぜ…マジで…って感じです。

本当にこのての人はタチが悪い、というか僕には合わないです。たいてい話し手も自慢話ばかりだったり、過去の自分の栄光の話だったり…どれだけ自我が確立されてない自己愛に満ちた人間なんだよ……。

とはいっても、自分自身そういう部分が0ではないと思います。ですから自戒の意味も込めて書いていますが、皆さんもこうはならないで欲しいですね…。そして子供にはきちんと自由な教育をしてあげたいです…はい。



ちなみに

なぜ「いい人」は心を病むのか(愛蔵版)なぜ「いい人」は心を病むのか(愛蔵版)
(2012/05/12)
町沢 静夫

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この本で子供の発達時期と教育による精神・人格形成については簡単に学びました。入りやすいのでオススメです。

ではでは…
Date: 2012.08.02 Category: 精神・心理  Comments (0) Trackbacks (0)

ペースメーカーと車

こんにちは、twitterで医学知識をつぶやき始めましたyoungdrです。



今日はペースメーカーについて。ペースメーカーといえば心臓の拍動がうまく調節できない人に埋め込む機械みたいなやつですね。

こいつの役割は、一定のリズムを刻むはずの心臓が何らかの理由でうまく拍動できなくなってしまった際、代わりにリズムを刻む事です。残念ながら、コイツは電波に影響を受けやすいんですね。実は病院内で機器を使用しないように注意されている要因の1つでもあります。(最近のは大分改善されていますが、古いタイプのペースメーカーを埋め込んでいる人もいるので注意)



話変わりますが、スマートキーシステムってご存知ですか?

ボタンを押さなくても、キーを持った人が近づくと勝手に鍵があく賢い車の事です。買い物して荷物で両手が塞がっている人にとって、なんとも便利な車ですね。

しかし、このスマートキー、ペースメーカーの人には危険を及ぼす可能性があります。

http://www.info.pmda.go.jp/mdevices/md2006-0331004.html

ペースメーカーを埋め込むのは簡単ですが、患者さんのQOLを考えると少し考えますね。

例えば骨肉腫とかでも、足を切ってしまうのは簡単ですが、やはりぎりぎりのラインまでもたしてあげたい。でもラインをこえてしまうと転移してしまったり、患者さんに不利益を被らせてしまう。ううむ…難しいところです。。。
Date: 2012.07.29 Category: 心臓・血管  Comments (0) Trackbacks (0)
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